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ト化し、現場の桟橋の杭打設と同時進行可能とし、なおかつ、1ブロックの大きさをできるだけ大型化して据えつけ回数を減らして工程の短縮を図った。桟橋木体と既設ケーソンを連絡する渡版工には工場製作のPCホロー桁を近接ヤードで1ブロック25mで大組、一括架設としさらに工程を短縮することができた。但し、大組したPCホロー桁は据えつけ後の版全体の歪みに注意を要するため、桟橋上部工と同じ幅で目地は必ず架台部と合わせ、さらに両端部のレベル差は幅の0.4%以下(本施設の場合10cm以下)におさえる構造とした。これらのプレキャスト化を前提とする等厚コンクリート床版構造を採用した結果、上部工の重量は従来方式の約2倍となり、鋼管の断面化的1.2倍の断面係数が必要となった。

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Fig-2. Cross section of an Emergency Container Wharf.

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Fig-3.Cross section of an ordinary slab by site casting concrete procedure.

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Fig-4. Cross section of a precast floor slad.

4. 緊急コンテナ埠頭の設計施工
4−1. 全体工程
これらの設計・施工の工夫により既設岸壁の被災状況の詳細調査から始まり、約6ヶ月後の平成7年11月13日に桟橋埠頭の供用開始することができた。工事全体の実施工程表を表-1に示す。
4−2. 桟橋本体工の施工
鋼管杭はφ1400mm,t=15〜19mm,L=36〜57m,355本を1ヶ所継手(海底面から3/β下側)を設けて1本もので工場製作したものを3000t台船に積載して現場に搬入した。この杭は許容変位量:地震時10cm以下に抑えるため支持層−50.5m(N値50以上)へ1D打ち込む設計にしている。鋼材の腐食対策としては飛沫帯のCDL−2.0mまで重防食(ポリエチレンライニング)を施した。
杭打ちはバイブロハンマー(VM4-30000A×2)で貫入できるところまで打設しておき、最終の支持層への打ち込みは油圧ハンマー(PMJ−200)で打止め管理を行なった。陸上側の直杭については杭打ち時に爪がせりあって打設能率が下がると推定し、爪を設けない構造としたことによりほぼ予定していた工程どおり打設を完了することができた。鋼管杭の打設状況を写真-2に示す。
4−3. 桟橋上部工の構造と施工
(1)桟橋上部工杭頭部の構造
桟橋上部工をプレキャスト製作した場合、桟橋構造では杭頭部で最大曲げモーメントが発生するので鋼管杭との剛緒方法に注意を要するので以下の点に設計上配慮した。
?杭頭部は「道路橋示方書下部構造編」の基礎杭の杭頭剛結合の設計法に準じて設計し、上部エへ杭径以上埋め込み、なおかつプレキャスト間の充填コンクリートとの付着をよくするためずれ止め金具を取り付ける方法とする。
?プレキャスト上部工製作時にあらかじめ杭頭部を箱抜きし、据えつけ後に箱抜き部に高流動コンクリートを充填して杭頭剛結する。

 

 

 

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